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「ソロキャンプを始めよう」と思って道具リストを検索すると、たいてい30個とか43個とかの一覧が出てきます。
そして、だいたいそこで止まります。
多すぎるからです。全部揃えたら10万円を超えるし、そもそもどれが「絶対いる」もので、どれが「あったら便利」なものなのか、リストの見た目からは区別がつきません。
この記事では逆のことをします。最初の1泊で本当に必要な道具を9つまで削って、その9つそれぞれについて「初心者がどこで間違えるか」だけを書きます。
商品を並べる前に、選ぶ基準を持ってもらうのが目的です。基準さえあれば、セールでもふるさと納税でも、自分で正しく選べるようになります。
結論:最初の1泊に必要なのは9つ
| # | 道具 | 優先度 | 予算の目安 |
|---|
| 1 | テント | 必須 | 8,000〜25,000円 |
| 2 | 寝袋(シュラフ) | 必須 | 6,000〜20,000円 |
| 3 | マット | 必須 | 3,000〜12,000円 |
| 4 | ヘッドライト | 必須 | 1,500〜4,000円 |
| 5 | ランタン | 必須 | 3,000〜8,000円 |
| 6 | バーナー(シングルバーナー) | 必須 | 3,000〜8,000円 |
| 7 | クッカー・食器 | 必須 | 2,000〜6,000円 |
| 8 | チェア | ほぼ必須 | 4,000〜12,000円 |
| 9 | テーブル | ほぼ必須 | 3,000〜10,000円 |
| - | 焚き火台 | 2回目でいい | 5,000〜15,000円 |
焚き火台をリストから外していることに驚いたかもしれません。理由は後述しますが、焚き火は「ソロキャンプの目的」ではあっても「1泊するための必需品」ではないからです。1回目に無理して買うより、一度泊まってから自分の焚き火スタイルに合うものを買ったほうが失敗しません。
1. テント:「1人用」を買うと失敗する
ソロキャンプなのだから1人用でいい、と考えるのが最初の落とし穴です。
選ぶなら2人用(2P)です。 理由は3つあります。
- ザック、着替え、カメラなどの荷物を室内に置く場所がいる
- 1人用は「大人1人が横になれる最小寸法」で設計されていて、座って着替えるのもきつい
- 雨の日はテント内で過ごす時間が長くなる
そのうえで見るのは次の2点です。
前室があるか。 出入り口の外側に張り出した屋根つきスペースのことです。ここに靴を置けるかどうかで、雨の日の快適さがまったく違います。
ダブルウォールか、シングルウォールか。 インナーテントとフライシートが分かれているのがダブルウォール。結露がインナーの内側まで来にくいので、初心者はこちらが無難です。シングルウォールは軽くて設営が速い代わりに、朝起きると内側が濡れていることがあります。
なお、車で行くなら重量はほとんど気にしなくて構いません。軽さは徒歩・電車キャンプのための性能で、そのぶん価格が上がります。車移動なら「重いが丈夫で安い」を選んだほうが得です。
この条件を満たす定番:コールマン ツーリングドームST
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「1人用 2人用」と併記されているとおり、実寸は2人用です。だから荷物を室内に入れられます。前室もあり、インナーとフライが分かれたダブルウォール。この記事で挙げた3条件をそのまま満たします。
なお、スペック表に並ぶ耐水圧の数字が何を意味しているのか——そしてなぜフロアだけ数字が高いのかは、別記事で掘り下げています。
初心者がやりがちな失敗
1人用を買った人が最初につまずくのは、荷物の置き場所です。雨の日、ザックと靴と着替えを抱えたまま、狭い室内で身動きが取れなくなる。前室のないモデルだと、靴を外に出せば朝には濡れていて、中に入れれば寝る場所が削られます。
寸法表で最初に見るべきは「就寝人数」ではなく、前室の奥行きです。
2. 寝袋:「最低使用温度」を信じてはいけない
9つのなかで、ケチると一番後悔するのが寝袋です。
寝袋のスペック表には複数の温度が書かれています。ここを読み違えると、真夏でもないのに眠れない夜を過ごすことになります。
- 快適温度(コンフォート) … 寒がりな人でも快適に眠れる温度
- 下限温度(リミット) … 丸まって寝れば、なんとか眠れる温度
- 限界温度(エクストリーム) … 低体温症にならずに6時間耐えられる温度。眠れる温度ではありません
安い寝袋のパッケージに大きく書かれている「最低使用温度 -5℃」のような表記は、多くの場合この3つ目に近い数字です。見るべきは「快適温度」です。
春・秋も含めて使うなら、快適温度が5℃前後のものを目安にしてください。
中綿は化繊とダウンの2種類です。初心者は化繊で構いません。 安く、濡れても保温力が落ちにくく、自宅の洗濯機で洗えるものもあります。欠点はかさばることですが、車移動なら問題になりません。
快適温度が明記されている一例:コールマン パフォーマーIII / C5
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型番の「C5」が、そのまま快適温度5℃を指しています。この記事で挙げた基準がモデル名になっている珍しい例で、スペック表を読み解く手間がありません。化繊なので洗えます。
なお、同じシリーズに C10(快適温度10℃)もあります。夏だけなら C10、春秋も使うなら C5 です。
初心者がやりがちな失敗
「最低使用温度0℃」と書かれた寝袋を持って、気温5℃の夜のキャンプ場に行く。数字の上では5℃ぶんの余裕があるように見えます。ところが実際には寒くて眠れず、明け方に車へ避難することになる。
0℃は耐えられる下限であって、眠れる温度ではないからです。同じ寝袋の快適温度は8℃前後だったりします。つまり5℃の夜には足りていません。
スペック表で見る数字は、快適温度ひとつだけにしてください。
この温度表記が実際には何を意味しているのか——そして、なぜマットとセットでなければ成立しないのかは、規格の中身までさかのぼって別記事にまとめました。
3. マット:寒さは「下」から来る
初心者がもっとも軽視して、もっとも後悔するのがマットです。
地面は夜のあいだ、体温を奪い続けます。しかも寝袋は体の下では潰れるので、下向きの断熱はほとんど機能しません。 つまり、どれだけ良い寝袋を買っても、マットがなければ背中は冷えます。
指標はR値です。断熱性能の数値で、大きいほど暖かい。
- R値 2前後 … 夏向け
- R値 3〜4 … 春・秋も含む3シーズン向け
- R値 5以上 … 冬向け
タイプは主に3つ。インフレーターマット(バルブを開くと自動で膨らむ)は寝心地と断熱のバランスがよく、最初の1枚に向きます。エアマットは軽くて小さくなりますが、穴が空くと終わりです。クローズドセルマット(銀マット・折りたたみ式)は安く、絶対に壊れません。
予算が厳しければ、銀マットでもいいので必ず1枚敷いてください。 何も敷かないのとは別世界です。
なお、寝袋の温度表記を定めた国際規格 ISO 23537 の試験は、R値4.8のマットの上で行われています。つまり寝袋に書かれた「快適温度5℃」は、それに近い断熱性能のマットがあって初めて成立する数字です。くわしくはこちら。
R値を公表しているマット:WAQ インフレーターマット 8cm
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R値6.0を公称しています。 前述の4.8を上回っているので、寝袋の表示温度が成立する前提を満たします。190×65cm・厚さ8cm・2.5kg。バルブを開けば自動で膨らみます。
マットはR値を書いていない商品がかなり多い分野です。「極厚」「冬でも暖かい」といった言葉だけの商品は、比べるための情報を出していないということなので、候補から外して構いません。
R値がどういう数字なのか、そしてインフレーター・エア・クローズドセルをどう使い分けるかは、別記事にまとめました。
4. ヘッドライト:ランタンより先に買う
道具リストで軽く扱われがちですが、優先度はランタンより上です。
理由は単純で、両手が空くからです。暗くなってからのペグ打ち、調理、トイレまでの移動、寝る前の荷物整理。どれもランタンを片手に持ったままではできません。
明るさは100〜200ルーメンあれば十分です。それより気にしてほしいのは次の2つ。
- 赤色灯モードがあるか … 夜中に点けても目が眩まず、他のキャンパーにも迷惑になりにくい
- 電源方式 … USB充電式は経済的ですが、電池切れ=終了。乾電池式は予備を持てば復帰できます
条件を両方満たす:ジェントス WS-243HD
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上に挙げた2つの条件を、両方満たしている数少ないモデルです。
赤色サブLEDを搭載しています。メーカー公称は白色が580ルーメン(High)/ 260(Mid)/ 35(Eco)、赤色サブが10ルーメン。夜中にトイレへ行くときは、この赤色だけで足ります。
そして専用充電池と単4電池の両方が使えます。ふだんは充電池で経済的に、いざというときは単4を3本買えば復帰できる。「充電を忘れて現地で使えない」という初心者の定番の失敗に、逃げ道があります。
点灯時間はHighで2.5時間、Ecoなら25時間。キャンプで使うのはほぼEcoかMidなので、1泊で電池切れになることはまずありません。
5. ランタン:最初は充電式LEDで十分
ガスランタンやガソリンランタンは雰囲気がありますが、1回目には要りません。 燃料の管理、マントルの空焼き、そして火傷のリスクがあります。
最初は充電式のLEDランタンにしてください。暖色に切り替えられるものを選ぶと、白色だけのものよりずっと居心地がよくなります。
明るさは200〜400ルーメンが目安。ソロのテントサイトなら、これ以上明るくても持て余します。
そして地味に効くのが吊り下げられるか。テント内で床に置くと影ができて使いにくいので、フックやループがついているものを選んでください。
ルーメンという数字が何を表しているのか、そしてなぜ明るすぎると逆に見えなくなるのかは別記事に書きました。置き方まで含めた話です。
入門用なら3,000〜5,000円のクラスで十分です。
まずはこのクラスから:充電式・暖色・吊り下げ可
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この記事で挙げた条件(充電式・暖色あり・吊り下げられる)を満たして、3,000円台です。
最大1000ルーメンと書かれていますが、そこは気にしなくて構いません。調光できるので、ソロなら絞って使います。 明るさが要るのは、暗くなってからの撤収や停電のときで、そういう場面のために上が広いことに意味があります。
防水はIP44。雨に濡れても平気ですが、水没はさせられないという水準です。テント内やタープ下で使うぶんには十分で、これ以上の防水性能はランタンにはあまり必要ありません。
そのうえで、もし「キャンプ用と防災用を1台で兼ねたい」なら、給電機能つきの上位モデルという選択肢もあります。
ワンランク上/防災兼用:ジェントス EX-300H
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USB給電機能がついたモデルです。1万円前後するので、この記事の予算表からは外れます。「キャンプにも使えて、停電のときも使える1台」を探している人向けの選択肢として挙げておきます。
キャンプだけが目的なら、無理にこの価格帯を選ぶ必要はありません。
6. バーナー:初心者はCB缶を選ぶ
シングルバーナーの燃料は大きく2種類あります。
CB缶(カセットボンベ)は、家庭用のカセットコンロと同じ細長い缶です。OD缶(アウトドア缶)は、丸くて背の低いキャンプ用の缶です。
初心者にはCB缶を勧めます。 理由は入手性とコストです。
- コンビニ、スーパー、ホームセンター、100円ショップで買える
- 1本あたりの単価がOD缶よりかなり安い
- 忘れても現地近くで調達できる
OD缶は寒さに強く、本体もコンパクトですが、扱っている店が限られます。「登山もする」「冬キャンプをする」段階になってから検討すれば十分です。
なお、カセットコンロ用のガス缶を、専用でないバーナーに使うのは危険です。 必ずそのバーナーが指定する規格の缶を使ってください。
CB缶バーナーの定番:SOTO レギュレーターストーブ ST-310
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「レギュレーター」というのは、気温が下がってガスの出が悪くなるのを補正する機構のことです。CB缶の弱点はまさに寒さなので、そこを埋めている点でこの価格帯では突出しています。ゴトクが広く、メスティンも安定して載ります。
CB缶とOD缶の違い(そしてOD缶が寒さに強い本当の理由)は、別記事で缶の構造まで掘り下げています。ガス缶の危険な使い方もそちらにまとめました。
7. クッカー・食器:メスティン1つから始めていい
最初から鍋・フライパン・ケトルを揃える必要はありません。
メスティン(アルミの箱型飯盒)が1つあれば、炊飯、煮る、蒸す、麺を茹でるまで一通りできます。そこにシェラカップを1つ足せば、器にもマグにも計量カップにもなります。
これで2,000円台から始められます。
注意点が1つ。アルミ製のメスティンには、バリ取り(フチのざらつきをヤスリで削る)とシーズニング(米のとぎ汁で煮て被膜をつくる)が必要な製品があります。最初から加工済みのものを選ぶと手間が省けます。
元祖:トランギア メスティン TR-210
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容量750ml、1.8合まで炊けます。ソロなら十分すぎる量で、余ったぶんは翌朝の分になります。本体155gと軽い。
このジャンルの元祖で、後発品の寸法はたいていこれに合わせて作られています。メスティン用の折りたたみハンドルやまな板、収納ケースといった周辺品が最も豊富なのも、結局この型番です。
もう1つだけ:シェラカップ
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450mlの深型。目盛が付いているので、さきほど書いた「計量カップにもなる」がそのまま成立します。メスティンで米を炊くときの水の量も、これで測れます。
直火にかけられるのも効きます。スープを温める、湯を沸かす、といった小さい作業を、わざわざ鍋を出さずに済ませられる。重ねて収納できるので、2つ持っても場所を取りません。
ひとつだけ弱点があります。ステンレスは熱を伝えるので、熱い飲み物を入れると縁が熱くて口をつけられません。 これはこの製品に限らず、ステンレス製シェラカップ全般の話です。飲み物用に使うなら、縁にシリコンのカバーを付けるか、チタン製を選ぶことになります。
食器・調理・計量を兼ねる道具だと考えると、1,000円台の出費としては効率がいい買い物です。
8&9. チェアとテーブル:必ず「セット」で考える
この2つは単体で選んではいけません。高さが合っていないと、両方とも使いにくくなるからです。
キャンプのスタイルは2つあります。
- ロースタイル … 座面の高さ25〜35cm、テーブル高さ30〜40cm。地面や焚き火に近く、落ち着く。ソロキャンプの主流
- ハイスタイル … 座面40cm前後、テーブル高さ60〜70cm。立ち座りが楽で、調理しやすい
どちらを選んでもいいので、チェアとテーブルで揃えてください。 ロースタイルのチェアにハイスタイルのテーブルを合わせると、食事のたびに肩が上がって疲れます。
テーブルについてもう1点。焚き火やバーナーの近くで使うなら、天板は金属(アルミ・ステンレス)を選んでください。 木製や樹脂の天板に熱い鍋を直接置くと跡が残ります。
ハイスタイルを選ぶなら:コールマン アームチェア
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メーカー公称で座面高43cm。つまりこれはハイスタイルです。両アームにカップホルダーがあり、立ち座りが楽なので、膝や腰に不安がある人には素直に快適です。
ただし、この記事で繰り返している原則がそのまま効きます。これを選んだら、テーブルは高さ60〜70cmで揃えてください。 高さ40cmのローテーブルと組むと、天板が膝より下に来て使えません。
購入前に見ておく数字が2つあります。
- 耐荷重80kg … アウトドアチェアとしては高いほうではありません。体重が近い方は別のモデルを検討してください
- 収納時87cm … たたんでも87cmの棒状になります。重量も約2.9kgあるので、バイクや電車で運ぶ想定なら向きません。車移動が前提の道具です
高さで迷わない方法:調整できるテーブルを選ぶ
チェアとテーブルの高さを合わせる話をしてきましたが、そもそも合わせなくていい方法があります。高さを変えられるテーブルを選ぶことです。
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天板が金属メッシュなので、この記事で書いた「焚き火の近くなら金属天板」という条件を満たします。熱い鍋を直接置いても跡が残りません。水はけがよく、汚れも落としやすい。
そして高さを変えられるので、あとからチェアを買い替えても付き合えます。 ロースタイルに転向しても使えるということです。
購入前に確認してほしいのが2つあります。
サイズを間違えないこと。 この商品は3種類あります。いちばん大きい130×60cmは重量が約4.9kg。ソロなら小さいサイズで十分です。大きいほうはファミリー向けの寸法で、1人で運ぶには重い。
高さの段階を商品ページで確認すること。 何cmに設定できるかは商品ページの仕様表に出ています。あなたのチェアの座面高に合う段階があるかを、買う前に必ず見てください。座面43cmなら60〜70cm、座面30cmなら40cm前後です。
初心者がやりがちな失敗
ロースタイルとハイスタイルの混在は、買うときには気づかず、現地で気づく失敗です。座面30cmのローチェアに、高さ70cmのテーブル。座ると天板が胸の高さに来て、食事のたびに肘を上げることになります。
やっかいなのは、どちらも単体では欠陥のない、いい製品だということです。だから返品もしにくい。
チェアとテーブルは、必ず同じ日に、同じスタイルで選んでください。
予算の配分:迷ったら「寝る道具に6割」
同じ5万円でも、配分を間違えると満足度がまるで変わります。
原則はひとつです。テント・寝袋・マットの3点に、予算の6割をかけてください。
理由は身も蓋もありません。眠れなかったキャンプは、二度目がないからです。 チェアが多少座り心地が悪くても、その日は乗り切れます。でも寒くて眠れない夜を過ごすと、キャンプそのものが嫌いになります。
| 予算 | 寝る道具(テント・寝袋・マット) | 明かり・火まわり | 座る・置く |
|---|
| 3万円 | 18,000円 | 7,000円 | 5,000円 |
| 5万円 | 30,000円 | 12,000円 | 8,000円 |
| 10万円 | 55,000円 | 25,000円 | 20,000円 |
3万円のプランでも1泊は問題なくできます。足りないと感じた部分だけ、あとから買い替えていくほうが、最初に全部いいものを買うより結果的に無駄が少なくなります。
なお、この記事で名前を挙げている製品は、おおむね5万円プランの水準です。3万円で組む場合は、テントとチェアをより安いモデルに置き換えてください。そこを削っても、寝袋とマットさえ妥協しなければ夜は越せます。
そしてもうひとつ、買う時期でも支払う額は変わります。
楽天スーパーSALEは年4回(3月・6月・9月・12月)です。一式そろえる金額帯は、ちょうど買い回りポイントの上限に近いところに当たります。上限があることを知らずに買い足すと、かえって損をします。
逆に、最初は買わなくていいもの5つ
道具リストによく載っていますが、1回目には不要なものです。
- 大型クーラーボックス … ソロなら保冷バッグ+凍らせたペットボトルで足ります。ペットボトルは溶けたら飲めます(後述)
- タープ … テントの前室でしのげます。設営難度も高く、1回目に張ろうとすると日が暮れます
- 焚き火台 … 前述のとおり2回目でいい。加えて焚き火シート(地面保護)が別途必要な場所が多く、セットで考えないと現地で使えません
- 調理器具一式 … 包丁・まな板は家のものを持っていけます。しばらくはカット済み食材で足ります
- 高価なナイフ … 憧れる気持ちはわかりますが、1回目に使う場面はほぼありません
ただし、リストに載っていないのに絶対いるものがあります。
- ペグとハンマー … テント付属のペグは細くて曲がります。買い替えは早い段階で効きます(後述)
- ゴミ袋 … ほとんどのキャンプ場はゴミを持ち帰りです
- モバイルバッテリー … 地図・連絡・ライトのすべてがスマホ頼りになります
- 軍手またはグローブ … ペグ打ち、熱い鍋、薪の扱いで必ず使います
大型クーラーボックスの代わりに
先ほど「1回目には要らない」と書いたクーラーボックスですが、冷たいものを持っていく手段そのものは必要です。ソロなら、折りたためる保冷バッグで足ります。
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ソロ1泊なら15L前後が目安です。5Lは飲み物だけ、20Lは2人分か夏場向け。
ソフトタイプの利点は帰りに畳めることです。ハードのクーラーボックスは中身が空になっても大きさが変わりませんが、こちらは荷物になりません。ソロキャンプでは、帰りの積載のほうが問題になりがちです。
なお、保冷力の見方についてひとつ。「保冷効力」という数値が書かれていることがあります。 これは日本産業規格(JIS)の試験方法を準用したもので、室温40℃の環境に、容量の80%の水(1〜4℃)を入れて、8時間後に何℃になったかを測ったものです。
つまり基準は8時間です。「保冷○日」といった宣伝上の表現とは別の数字なので、混同しないでください。数値で比べたいなら「保冷効力」を探すのが正確です。
付属のペグは、早めに卒業する
道具リストに載らないのに、買い替えると体感が一番変わるのがペグです。
テントに付属しているのは、細いアルミやプラスチックのピンであることが多く、硬い地面や石に当たると簡単に曲がります。 曲がったペグは抜くのも一苦労です。
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長さ30cm、本数は12・16・24本から選べます。収納バッグ、夜に足を引っかけないための反射ロープ、頭に被せる安全キャップが付いています。
ここで用語をひとつ整理しておきます。ペグの商品名には「鍛造」と「鋳造」が並んで書かれていることがありますが、この2つは別の製法です。
- 鍛造(たんぞう) … 金属を叩いて成形する。粘りがあって、硬い地面でも曲がりにくく折れにくい。1本300〜500円
- 鋳造(ちゅうぞう) … 溶かして型に流し込む。硬いが脆く、石に当たると欠けることがある
- スチールペグ … 上記より安価。強い力では曲がるが、付属のアルミペグとは比べものになりません
つまり、商品名に両方書いてあるときは、どちらなのか商品ページで確かめてください。 名前だけでは判断できません。
ただし現実的な話をすると、最初の1セットはここまで気にしなくて構いません。 30cmのスチールペグでも、付属品からの差は歴然としています。硬い地面で曲げてしまう経験をしてから、本格的な鍛造ペグ(エリッゼステーク、スノーピークのソリッドステークなど)に上げれば十分です。
ハンマーは別に要ります
30cmのペグを、手や石で打ち込むのは無理です。
選ぶときに見るのは3つだけです。
打面が銅かどうか。 銅は柔らかいので、打撃の衝撃を吸収し、ペグの頭を潰しません。 鉄のハンマーで鉄のペグを叩くと、跳ね返りが手に来て、ペグの頭も傷みます。
ヘッドを交換できるか。 銅は柔らかいぶん摩耗します。ヘッドだけ交換できる設計なら、本体は使い続けられます。使い捨てになりません。
ペグ抜きが付いているか。 これが実は一番効きます。打ち込んだペグを抜くのは、打つより大変です。 フックがあれば引っ掛けて抜けますが、無いと撤収のたびに地面と格闘することになります。
そしてこの3つは、2,500円前後で全部そろいます。
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銅ヘッド、重量580g、ペグ抜き機能つき、ヘッド交換可、収納袋付き。上の3条件を全部満たして2,500円前後です。最初の1本はこれで十分すぎます。
上を見るとどうなるか
参考までに、この分野の定番も挙げておきます。
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スノーピークのPRO.C。重量670g、木製ハンドル、燕三条製です。銅ヘッドの交換もペグ抜きも備えていて、条件そのものは上の2,500円のものと同じです。
では何が違うのか。重量と、つくりの精度と、長く使ったときの耐久性です。
軽すぎるハンマーは打ち込めません。 腕の力ではなく、ヘッドの重さで打つ道具だからです。580gと670gの差は、硬い地面では体感に出ます。
とはいえ、1回目には要りません。 この記事の予算表からも完全に外れます。それでも載せたのは、上を知っておくと下を選ぶときの基準になるからです。
この節の結論はこうです。2,500円のもので、条件は満たせています。
買う順番:1回目はレンタルという選択肢もある
「キャンプが自分に合うかまだわからない」段階なら、1回目はレンタルつきのキャンプ場を使うのが一番安上がりです。
そのキャンプ場をどう選ぶかは、道具選びと同じくらい初回の印象を左右します。別記事にまとめました。
道具一式のレンタルは5,000〜10,000円程度が相場です。10万円を投じる前に、自分がロースタイルとハイスタイルのどちらが好きか、寒さにどれくらい弱いかを知っておけると、そのあとの買い物の精度が上がります。
そのうえでの推奨順序です。
- 寝袋・マット … レンタルでも「寝具だけは自分のものがいい」という人が多い。ここから買う
- テント … 好みが固まってから
- チェア・テーブル … スタイルを決めてからセットで
- 焚き火台 … 2回目以降
- こだわりの道具 … 3回目以降
まとめ
- 最初に必要なのは9つ。焚き火台は2回目でいい
- テントは2人用を選ぶ
- 寝袋は「最低使用温度」ではなく快適温度5℃前後を見る
- マットを省略しない。寒さは下から来る
- ヘッドライトはランタンより優先
- バーナーはCB缶が扱いやすい
- チェアとテーブルは高さを揃えてセットで
- 予算は寝る道具に6割
道具は、増やすより減らすほうが難しいものです。最初の1泊は、この9つだけ持って行ってみてください。足りなかったものが、あなたにとって本当に必要な10個目です。
関連記事
なお服装はこの9つに入れていません。 手持ちの服で始められるからです。ただし秋以降は素材で差が出るので、そこだけ別記事にしました。
道具ごとの解説について
このブログでは、この記事を入口にして、道具ごとの選び方を1つずつ掘り下げています。 上の関連記事から読めます。
まだ書いていないのは、テントポールの素材(アルミとグラスファイバーで何が変わるか)と、チェアとテーブルの高さの合わせ方です。公開したら、この記事からもリンクを張ります。
最後に質問です。あなたが最初に買った(買おうとしている)道具は何ですか? よければコメントで教えてください。次の記事の参考にします。